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プレコンセプションケアってなぁに?

2025年3月5日

[監修] 神奈川県立保健福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科 教授 吉田 穂波

プレコンセプションケアってなぁに?

「プレコンセプションケア(プレコン)」とは、プレ(pre=~より前の)+コンセプション(conception=妊娠・受胎)という言葉で、将来の妊娠や身体の変化に備えて自分たちの健康やライフプランを男女ともに考えていこう、というものです。

プレコンセプションケアの中身は様々です。できることから始めてみましょう!

自分たちの健康やライフプランをともに考える男女のイメージ

自分を知り、自分の身体を守ろう

自分の身体と心を意識しながら過ごしていますか?また、10年後20年後の自分のコンディションが良くなる方法について知りたいと思いませんか?将来、「もっと早くに知りたかった」「知らなくて損をした」と悔しい思いをしないため、そして将来の可能性を広げるために、今から出来る小さな工夫で身体と心をいたわってあげましょう。

自分のことを知り、自分の体を守るイメージ

プレコンセプションケアについて、もっと知りたい方は「丘の上のお医者さん」をご覧ください。プレコンセプションケアだけでなく、男女の身体のこと、健康管理に関することなど、様々な知識を得ることができます。

丘の上のお医者さん(かながわプレコン)

いま、あなたにできること ~女性の方へ~

自分の月経周期が何日なのか、改めて意識してみませんか?月経周期を正しく把握すると、自分の身体に起こる変化を前もって知ることができます。

月経周期の数え方

月経周期とは、月経の始まった日から次の月経開始の日までを指します。

月経が始まった日を「1」とし、次の日は「2」、以降「3、4、5……」と続き、次の月経が始まったら、また「1」となります。例えば、以下の表では、月経周期は28日となります。

月経周期の数え方(月経周期が28日の場合)

正常な月経周期は25日~38日程度、月経が続く日数は3日から7日間だとされていますが、ホルモンバランスやストレスなどによって変化します。

月経について、以下の症状を参考に、気になることがあれば産婦人科の受診をおすすめします

月経前イライラする

月経の3~10日前くらいから、イライラした気持ち、乳房のはり・痛みなど、気持ちや身体の不調が起こり、月経が来るとそれらの症状が治まる場合は、PMS(月経前症候群)の可能性があります。

月経に伴い強い痛みがある(頭痛、腹痛、腰痛)

日常生活に支障をきたすほどの月経痛がある状態を“月経困難症”といいます。つらい痛みを我慢する必要はありません。人と比べたりせず、過去の自分の状態と比べて、だんだん症状が辛くなっていると思ったら勇気を出して相談してみましょう。

月経が3か月以上こない(月経不順、無月経)

妊娠、過度なストレス、急激なダイエット、婦人科系疾患等様々な原因が考えられます。月経がこないのは何らかの身体からのサインと考え、早めに産婦人科を受診してください。

上記の症状に該当しない方も、少しでも快適に過ごすために、自分に合った方法を見つけて月経と付き合っていきましょう。

月経とうまくつき合う方法

我慢しないで痛みが軽いうちに痛み止めの薬を飲む
体を温めるような食事や水分補給
お風呂であたたまる
運動して気分転換
しっかり栄養バランスのとれた食事を3食食べる
色々な月経用品を試す

なお、どのような症状で産婦人科を受診してよいか分からないとき、自分の身体や健康状態に不安があるときは、「プレコンセプションケア相談」もご活用ください。神奈川県在住・在勤・在学の方は、無料でご相談が可能です。

かながわプレコン相談

いま、あなたにできること ~男性の方へ~

男性の生殖機能についての動画「あなたの精子 大丈夫ですか?」内で男性に気を付けてほしいポイントなどを説明しています。

男性の生殖機能についての動画「あなたの精子大丈夫ですか」

精子の状態は生活習慣によっても変化します。肥満や喫煙、過度な飲酒、睡眠不足やストレスがあると、精子の数が減ったり、精子の運動能力が下がったり、精液にも影響する可能性があります。

まだ結婚や子どもを持つことは先のことと思っている人も、子どもはいらないと思っている人も、元気な精子を保つために、できるだけストレスの少ない生活をし、栄養バランスのよい食事や十分な睡眠をとり、適度な運動を心がけましょう。

元気な精子

いま、あなたにできること ~将来妊娠を希望する方へ~

妊娠中に感染すると、赤ちゃんに影響を与えるかもしれない感染症があります。感染症から完全に身を守ることはできませんが、ワクチン接種など効果的な予防をこころがけましょう。

ワクチンで感染症予防をする女性のイメージ

風しん

風しんは、風しんウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症で、飛沫によってうつる強い感染力が特徴です。

妊娠初期(妊娠4か月頃まで)の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓などに先天性の病気(先天性風しん症候群)を引き起こす恐れがあります。

一般的には、麻しんと風しんの混合ワクチン(MR)を2回接種することで、多くの方が免疫をつけることができます。自身の母子健康手帳で、2回接種をしているか確認しましょう。心配な方は、妊娠前にカップルで一度抗体価を検査してみると安心です。

なお、神奈川県では、先天性風しん症候群の発生を防ぐため、定期接種対象者以外である妊娠を希望する女性やそのパートナー、抗体保有率の低い年齢層の方へ、無料で風しん抗体検査を実施しています。検査で抗体がないことが判明した場合は、予防接種をお勧めします。

神奈川県無料風しん抗体検査

保健所設置市等(注意)を除く県内市町村に居住する、妊娠を希望する女性又は妊婦のパートナーの方が対象となります。(注意:県制度の対象外であっても、お住まいの市町村制度の対象となる場合がありますので、詳しくは市町村にお問合せください。)

麻しんと風しんの混合ワクチン(MR)のイメージ

HPV(ヒトパピローマウイルス)

子宮頸がんは、 女性の子宮の入り口付近(子宮頸部)にできるがんで、主に性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)感染が原因です。HPVウイルスは珍しいウイルスではなく、多くの女性が人生で一度は感染する可能性があると言われています。 感染したからといって必ずがんになるわけではありませんが、日本では20〜40代の女性を中心に毎年約1万人の方が新たに子宮頸がんと診断されています。

HPVワクチンの接種は早い年齢で始めるほど予防効果が高くなります。HPVに感染する機会の少ない早い年齢でのワクチン接種が有効です。

また、ワクチン接種をした人も、子宮頸がん予防効果は100%ではないので、ワクチン接種有無に関わらず、20才になったら子宮頸がん検診を受けましょう。

HPV感染症は、性行為によって男女間で感染を繰り返すため男女ともにワクチンを接種することで感染の拡がりを抑えることができます。接種により、HPVが原因となる陰茎がん、尖圭(せんけい)コンジローマや中咽頭がんの予防となること、男女間での感染を防ぐことでパートナーの健康と命を守ることにもつながります。

産婦人科医のやくしまる先生(丘の上のお医者さん 女性と男性のクリニック)のイメージ

参考

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