11章 人生100歳時代の自立と共生
人生100歳時代が到来しています。皆さん一人ひとりが自分自身の人生の設計図を描いて、生涯にわたり輝き続けるためには、個人そして社会はそれぞれどうしたらいいかを考えます。また、超高齢社会において共に支え合いながら安心して暮らせる社会とはどんな社会か、考えていきます
人生100歳時代の到来
1963年には日本の100歳以上の人口は153人。それが、令和5年では9万人を超えており(参考:県内では4,896人)、およそ50年前に比べ約590倍以上になっています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2050年にはさらに増加し、約47万人にまで達すると推計されています。そうなると100歳まで生きるのが当たり前という時代がやって来ます。
これからは、100歳までの人生の設計図が必要ではないでしょうか。
人生100歳時代でこれまでと何が変わるのか
これまでは、60歳定年でその後の40年間は「老後」。これからは、100歳まで「生涯現役」となるかもしれません。
- これまでの人生のモデルケース 教育→ 仕事→ 引退(老後)
- 人生100歳時代になると
年齢に関係なく学んで働く場所を変えたり、複数の仕事、または仕事とボランティアを同時にしたりと自由に人生のステージを行き来する「マルチステージ」型の人生に変化します。個人は、そして社会はどのように変わっていくのでしょうか。
これまで

100歳時代

ワーク1
未病を改善する取組も参考にしながら、100歳の自分を思い描いて人生の設計図を「ライフプランシート」に描きましょう。
- ワーク1 ダウンロード(ワード:352KB)
- ワーク1 ダウンロード(PDF:1,706KB)
- ライフプランシート ダウンロード(ワード:119KB)
- ライフプランシート ダウンロード(PDF:783KB)
記載例(ライフプランシート100歳の自分に向けて)
100歳の自分に向けて
20歳代
- 家庭(家族):-
- 学ぶ:ファイナンシャルプランナー取得
- 仕事:大学卒業後銀行に就職キャリアウーマンを目指す
- 遊び(趣味、余暇活動):美術館巡り、海外旅行、食べ歩き
未病を改善する取組
- 食:3食必ず食べる
- 運動:散歩、サイクリング
- 社会参加:仕事
30歳代
- 家庭(家族):結婚、第一子誕生
- 学ぶ:-
- 仕事:出産、2年間休職、復職
- 遊び(趣味、余暇活動):温泉巡り
未病を改善する取組
- 食:家庭料理をたくさん覚える
- 運動:水泳も始める
- 社会参加:-
40歳代
- 家庭(家族):第二子誕生
- 学ぶ:-
- 仕事:出産、2年間休職、復職
- 遊び(趣味、余暇活動):-
未病を改善する取組
- 食:-
- 運動:-
- 社会参加:-
50歳代
- 家庭(家族):母親の介護
- 学ぶ:退職後、コンピュータ技術を学ぶ
- 仕事:早期退職
- 遊び(趣味、余暇活動):スキューバダイビングを始める
未病を改善する取組
- 食:-
- 運動:-
- 社会参加:-
60歳代
- 家庭(家族):孫の誕生
- 学ぶ:-
- 仕事:携帯アプリ開発に成功。シニア海外ボランティアとしてコンピュータ技術を教える
- 遊び(趣味、余暇活動):海外の美術館巡り、海外の料理を覚える
未病を改善する取組
- 食:-
- 運動:スキューバダイビング
- 社会参加:-
70~80歳代
- 家庭(家族):-
- 学ぶ:カルチャースクールで外国語を学ぶ
- 仕事:自宅でパソコン教室
- 遊び(趣味、余暇活動):映画館通い
未病を改善する取組
- 食:なるべく料理を作る
- 運動:-
- 社会参加:孫とスポーツ観戦
100歳の自分
- 夫婦で老人ホームで生活
- 買い物、食べ歩き、カルチャースクール、美術館、映画館などで外出も多い
- 中学校でパソコン指導
ワーク2
個人の多様な生き方を支えるために社会や地域はどうなればいいか、教育のあり方、働き方の見直し(多様な働き方、ワーク・ライフ・バランスなど)、地域貢献などについて、グループで話し合い、その内容を書きましょう。
例)
(1)教育のあり方
- 教育機会の確保
- 学びなおし
(2)働き方の見直し
- 中途採用、高齢者雇用の拡大、活用
- 継続雇用、再就職、派遣就労、フリーランス
- 起業・独立
- 副業、多様な働き方(テレワークなど)
- ワーク・ライフ・バランス
(3)地域貢献など
- ボランティア活動
- 地域貢献活動
- 社会貢献活動
ワーク3
人生100歳時代が到来する中、「未病改善」の3つの取組について改めて個人や社会にどのような影響があるのか、グループで話し合い、その内容を書きましょう。
