あなたの脚の筋力 自信ありますか
市野瀬 厚 (かながわ健康財団 健康運動指導士)
年齢を重ねても転倒や骨折を防ぎ、健康的な日常生活を送るためには、丈夫な脚・腰の維持が必要です。主に立つ・歩くといった日常動作の基盤となるのは、お尻周辺の「大殿筋・中殿筋」、太もも前面にある「大腿四頭筋」、裏側の「ハムストリング」、膝下の「前脛骨筋」、裏側の「下腿三頭筋」などの脚の筋肉です。脚の筋肉は体のなかでも大きな筋肉です。自分の脚の筋力を知り、日頃の運動で鍛えることにより、姿勢の安定などが期待できます。
まず、自宅などでも簡単に行える「椅子座り立ちテスト」で脚の筋力の状態を確認してみましょう。
椅子座り立ちテスト
測定は椅子(40cm程度)を使い、「座る」「立つ」連続10回の動作を行います。
- 椅子の前に立つ(足は肩幅程度に開く)
- スタートと同時に座り、お尻が座面についたらすぐ立ち上がる(立った時は腰をしっかり伸ばし、座った時にはお尻が椅子に着くところまで下げる)
- 往復10回繰り返すのに要する時間をストップウォッチなどで測る

測定結果から脚の筋力が低下している(「遅い」に該当)場合には、スクワット・片足立ちなどの運動をする、日常生活で階段のぼりや、早歩きをするなどの習慣を積極的に取り入れてみましょう。
男性
年齢 | 速い | 普通 | 遅い |
---|---|---|---|
20から39歳 | 6秒以下 | 7から9秒 | 10秒以上 |
40から49歳 | 7秒以下 | 8から10秒 | 11秒以上 |
50から59歳 | 7秒以下 | 8から12秒 | 13秒以上 |
60から69歳 | 8秒以下 | 9から13秒 | 14秒以上 |
70歳以上 | 9秒以下 | 10から17秒 | 18秒以上 |
女性
年齢 | 速い | 普通 | 遅い |
---|---|---|---|
20から39歳 | 7秒以下 | 8から9秒 | 10秒以上 |
40から49歳 | 7秒以下 | 8から10秒 | 11秒以上 |
50から59歳 | 7秒以下 | 8から12秒 | 13秒以上 |
60から69歳 | 8秒以下 | 9から16秒 | 17秒以上 |
70歳以上 | 10秒以下 | 11から20秒 | 21秒以上 |
出典:健康・体力づくり事業団ホームページ
元気に歩き続けるための足筋力!転倒予防 かんたん運動
スクワット
- 足は肩幅より少し広めに立つ
- 背筋を伸ばし、胸を張る
- 膝はつま先と同じ方向に曲げる
- お尻を後方へ突きだす(椅子に座るイメージ)
- 呼吸は膝を曲げながら息を吐く
- 慣れてきたらゆっくり時間(3~5秒間)をかけて強度を調整する
- 5~6回を1日3セット

片足立ち
- 目を開けて立つ
- 背筋を伸ばす
- 不安がある場合には、机・壁など体を支える場所を確保する
- 片脚を床につかない程度上げる
- 左右1分間を1日3セット

トゥレイズ … 脛(すね)を鍛える運動/前脛骨筋
座位
- 椅子に座る
- 両手で椅子を固定し体を支える
- 踵(かかと)は床につけて、つま先をゆっくり上げ・下げを繰り返す
- 1セット20~30回 朝昼夜 分割して1日100回程度
注意:呼吸は止めずに行う

立位
- 壁に手をついて体を支える
- 踵(かかと)は床につけて、つま先をゆっくり上げ・下げを繰り返す
- 1セット20~30回 朝昼夜 分割して1日100回程度
注意:呼吸は止めずに行う

ヒールレイズ … ふくらはぎ・足指を鍛える運動/下腿三頭筋

(立位)
- 両足で立つ
- 踵をゆっくり上げる
- 踵をゆっくり下げる
- 1セット20~30回 朝昼夜 分割して1日100回程度
注意:呼吸は止めずに行う。
注意:立位や歩行が不安定な人は、椅子・壁などを使用しましょう。