1章 私たちが暮らす未来に向けて ~ 「健康寿命」とは「未病」とは ~
私たちは、人類が経験したことのない超高齢社会を迎えています。少子高齢化の進む日本、そして神奈川県では、労働力の減少、医療費の増大などの問題が容赦なく進みます。そこで注目されているのが「健康寿命(注釈)」の延伸です。私たちの未来に向けて、健康寿命を延ばすための未病改善、最新技術が支えるヘルスケアを学びます。
健康寿命の延伸をめざす背景
神奈川県の高齢化率(65歳以上の人口が全人口に占める割合)は、年々高くなり、2023年は25.8%と調査開始以来最高値となっています。
さらに県の将来人口推計(中位推計)によると、人口は2020年をピークに減少に転じ、年少人口(0から14歳)と生産年齢人口(15から64歳)が減少するのに対し、1970年に25.6万人であった65歳以上の高齢者人口は、2060年には約290.4万人と10倍以上になり、全体に占める割合は36.1%にまで進むと見込まれています。
こうしたことから、年をとっても元気な高齢者を増やすこと、即ち、「健康寿命」の延伸が重要となっています。
(注釈)「健康寿命」とは:一般的に「平均寿命から寝たきりや認知症など介護の期間を差し引いた期間」をいいます。(厚生労働省e-ヘルスネットより)
神奈川の人口ピラミッド(1970年から2060年予測)

神奈川県の平均寿命と健康寿命の比較(令和元年)

都道府県別健康寿命「日常生活に制限のない期間の平均」を基に作成
県では、「かながわ健康プラン21」において、「平均寿命の延伸の増加分を上回る健康寿命の延伸をはかること」を目標の1つに定め、「ライフステージに応じた未病対策」と「未病改善の取組を支える環境づくり」を軸に、様々な未病改善の取組を推進しています。
ワーク1
健康寿命が延びることはなぜ重要なのかをグループで話し合い、その内容を書きましょう。

ワーク2
「未病の改善」の取組のなかで、なぜ、社会参加が必要なのか、考えてみましょう。グループで話し合い、その内容を書きましょう。(下の表を参考に)
ボランティア活動の有無と自立率

社会活動に参加して良かったと思うこと(複数回答可)

(注1)調査対象は、全国の60歳以上(2021年11月1日現在)の男女。
(注2)回答条件は社会的な活動をしている者。
(注3)複数の活動をしている場合は、最も力を入れている活動について回答している。
ワーク3
健康寿命延伸のための技術やサービス、取組が皆さんの未来をリードします。下の絵のうち、(1)健康管理ができるアプリケーション「マイME-BYOカルテ」を自分や家族だったらどのように利用するか、グループで話し合い、その内容を書きましょう。
(1)マイME-BYOカルテ

(2)再生・細胞医療

(3)CHO構想(健康経営)

(4)最先端ロボットの活用

(5)未病産業の創出
